「妥協」という言葉は、
ネガティブな意味合いを
強く含んでいるように聞こえるし、
実際「家づくり」という
人生で一度だけの大きな買い物では、
「妥協=悪」かのような説明をする
住宅会社の方もいらっしゃいます。
ですが、
この「妥協」という言葉は、
視点によって
ネガティブにもなれば
逆にポジティブにもなるため、
個人的には、長期的な視点で
家づくりを成功させるためには、
この言葉をあまり否定的に
捉えないことが大切だと思っています。
おはようございます。
SIMPLE Inc.高根です。
というわけで、
今回は「妥協」について
考えていこうと思うのですが、
本題に入る前に
少し個人的な話をさせてください。
✔️「妥協」がもたらす産物
もしかしたらご存知の方も
いらっしゃるかと思いますが、
僕の趣味は「古着」です。
いーっつも若干薄汚れた
服を着ていますからね(笑)
ちなみに古着は大きく分けると
「ヴィンテージ古着」と
「レギュラー古着」があるのですが、
前者を集め、着るのが僕の趣味です。
まー、それはどーでもいいとして
この古着というものは、
新品のように
同じ色やサイズがそろっていないし、
希少性や状態によって
価格に大きな差が生まれるという
なんとも悩ましい特徴があります。
例えば、コンバースの靴でも、
1980年代と1990年代のものでは、
2倍かそれ以上価格が違うし、
同じ80年代のものでも、
状態が良いものとそうじゃないものでは、
2倍かそれ以上価格が違う
という感じですね。
もはや、マニアの世界なので
興味のない方には意味不明な世界観です・・
もちろん、僕は気に入ったら
飽きずにずっと愛用するし、
希少性の高い古着は
いい状態で保管さえ出来ていれば
同等かそれ以上の価格で
売却しやすいことから、
値段が高くても状態が良いものだけを
買うようにしているのですが、
反面、出費が増えるため
その分、他のものや他のことに
お金がかけられなくなる
という欠点が生まれます。
つまり、希少性が高い古着は、
いい状態さえキープ出来ていたら
価値が落ちにくいという
大きなメリットを持っているから、
短期的に「価格」を犠牲にしてでも
良いものを買うようにしている
というわけですね。
言い換えると、
「資産の置き換え」という感じでしょうか。
現在のような為替リスクに備えて
円とドルを半々で保有するとか、
やがて起こるかもしれない通過危機に備えて
貨幣を「ゴールド」や貴金属(時計)などに
換えておくのと似た発想ですね。
✔️将来価値も視野に入れて考える
一方で「建物」という資産は、
残念ながら年を追うごとに
価値が下がっていくものであり、
今後よほどのインフレが
日本で起こらない限りは、
住宅ローンが終わる頃には
価値がゼロになっていると思います。
たとえ、どれだけ奮発して
高性能住宅や豪邸を建てたとしてもです。
ゆえ、個人的には
家にかける予算は出来る限り
少なくするべきだと考えています。
資産の減少が確実な家の予算を削り
その分、別の資産に
お金を回すことが出来れば、
未来の状況が大きく違ってくるからです。
ゆえ、先程の古着とは裏腹に
「価格」を妥協するのではなく、
「やりたいこと」の中で
妥協出来るものを見つけることが大切だ
ということですね。
例えば、
一生暮らす大切な家だから
「同居はもちろん、
親の近くで住むのは嫌だ」
「家は最低でも35坪以上は欲しい」
「性能にもこだわりたいし、
使うものや仕上げにもこだわりたい」
となったとして、
それを全て実現するとなると
合計4500万円ほど
ローンを借りないといけないとしたら
夫婦がそろって働いていれば
決して実現不可能なものではありません。
しかし、その選択をとれば、
それ以外のところにいろんな形として
しわ寄せが来るのは言うまでもありません。
問答無用で奥さんも働き続けないといけない。
たとえどんな状況が起こったとしても・・
長期積立投資や貯蓄に回す余裕がない。
それどころかこれまでの貯金が減っていく・・
メンテのためにリフォームローンを組み、
車を買うために自動車ローンを組み、
進学のために教育ローンを組み、
住宅ローンも含めローン返済のためだけに
必死で働き続ける、といった風な。
おそらく、
夫婦そろって働いてさえいれば、
家づくりで実現出来ないことは
ほぼないんじゃないかと思います。
しかし、過剰なまでに
マイホームに夢を見過ぎるのは、
先程のような状態を引き起こす可能性を
格段に高める結果になるので、
長期的な視点で考えると、
極めて危険なことだと思います。
ゆえ、こと家づくりにおいては、
「妥協」と言う言葉を
ネガティブに捉えないように
していただけたらと思います。
「その選択は
家族がより良くなるために
価格を犠牲にしてでも必要なものなのか?」
常にこれを自問自答しながら
家づくりをすることが
結果的に家づくりを成功させるために
最も必要なことではないでしょうか。
それでは、、、