法改正と耐震と根本論と

2025年4月に建築基準法が改正され、

「地震や風の力に対して必要な

耐力壁の量が現行のおよそ1.6倍になる」

と同時に、現在のように

耐力壁の量によって

簡易的に耐震の計算をするのではなく、

「建物自体の重さ、人や家財の重さ、

雪が降った時の重さ、

地震や台風がきた時

どのように力が伝わるのか?

そしてその力に各部材が耐えれるか?」

などを全て調べつつ

耐震の計算を行なっていくことになります。

(いわゆる構造計算というやつです)

 

建物の省エネ化が進んだことで、

断熱材の重さが加わると共に

サッシ自体も重くなっているし

屋根にも太陽光パネルを載せるのが

ごく当たり前になっており、

結果、建物自体の重量が

ずいぶんと増しているからですね。

 

そんなわけで今後は、

建築確認申請に要する時間が

大幅に増加すると同時に、

(省エネ計算&申請に

時間がかかるのに加えて、

耐震計算&申請にも

時間がかかるようになるからです)

より耐震に配慮した設計を

心がけなければいけなくなる

と思われます。

 

おはようございます。

SIMPLE Inc.高根です。

 

では今回は

法改正が1年後に迫り

なおのこと基準が厳しくなる

「耐震」について

お伝えしていきたいと思いますが、

耐震をよくするためには

そもそも天然で構造的に強い家にすることが

第一の条件ではないでしょうか?

 

✔️2階建ては構造的に弱くなりやすい

 

天然で地震に強くするためには

「平屋」が建てられるなら

「平屋」にすることが最良の選択です。

 

2階建ての場合、

平屋にはない

上階からの荷重がかかる上、

細かく部屋を仕切る2階の方が

1階よりも重量が増えてしまうからです。

 

現在の間取りは、

1階にリビングダイニングキッチンをつくり

その空間も出来るだけ広くつくることが

スタンダードであるため、

どうしても1階に2階を支えるだけの

壁量がつくりにくくなっていますからね。

 

また、家を2階建てにしてしまう

最大の要因は

「南からの採光への固執」

にあると思いますが、

この考え方を基本に間取りをつくると

「南側に壁が少なくなり、

一方で北側に壁が多くなる」

という家になってしまいます。

 

要するに、

「壁量バランスが

極めて悪い家になってしまう」

というわけですね。

 

そんなわけで、

天然で地震に強いに家にするためには

可能であるなら「平屋」にすることが

最良の選択だと考えているのですが、

先程の後半で述べた

「バランス」に関しては

単純に平屋にしただけでは

完全な解決にはならないため、

「バランス」を整えていただために

 

✔️「光の採り方」を工夫する

 

ことが大事であることを

ご認識いただければと思います。

 

光には、太陽の光が

直接的に入ってくる「直射光」と、

空気中の塵や水蒸気に反射して

間接的に入ってくる「天空光」が

あるのですが、

家の中を安定的に明るくするためには

「天空光」をうまく利用することが

鍵になってきます。

 

直射光は

天候によって大きくされるため

人為的に調整するのが難しいのに対し、

天空光は

天候にほとんど左右されないため

こちらで調整しやすいからです。

 

直射光を中心に明るさを計算すると

厳しい日差しを遮るために

カーテンをせざるを得なくなり

家の中が暗くなってしまうため、

それを補うために

また別の場所に窓を設置し、

結果、耐震のための耐力壁となる

壁が減ってしまうだけですしね。

 

そんなわけで

家の設計を考える時は、

「光の採り方」に工夫することが

非常に大切なことだと考えています。

 

より少ない窓で

安定した明るさをもたらすことが出来れば、

耐震的にもより安定するし、

かつ、東西南北全てに

偏りなく耐力壁を作ることが出来れば、

耐震計算(構造計算)的にも

ずいぶんと有利に働くのは

間違いのない事実だと思います。

 

というわけなので、

耐震に関しては

もちろん数字も大事なものですが、

「何よりバランスが大事であること」を

知っておいていただければと思います。

 

それでは、、、

 

 

 

この記事を書いた人

simple

Simple Inc.代表 高根慶雄
住居をプロデュースするだけでなく、住宅ローンアドバイザーとして金銭面でも施主に寄り添う。