住宅性能が
重視されるようになって以降、
性能の数値化が常識化し、
その数値の高さこそが
「いい家であること」の
最重要項目となっている
今日この頃ですが、
そこにはいくつか
欠けている論点が潜んでいます。
まず1つ目が
耐震にせよ、断熱にせよ、
指標とされている数値のクリアは、
それを主にうたっている
住宅会社にしか出来ないように
感じてしまうかもしれませんが、
現実は全ての住宅会社が
実現可能であるということです。
もちろん、耐震の場合、
間取りによっては
等級3の実現が不可能な場合もあるし、
断熱の場合にしても
最高等級の7となれば
間取りとの兼ね合いもあるため、
いずれにせよ間取り次第で
難しい場合があるのも事実です。
ですが、間取りという
制約条件さえ除けば、
基本、望む性能は全ての方が
手に入れられるのが現実です。
ゆえ、安易に
そこだけに価値観を
置いてしまわないようにだけ
注意していただくことを
オススメしています。
そもそも、この4月から
耐震等級3取得のために行う
構造計算が必須化されることに加え、
今年度の国からの補助金は
間取りに関係なく取得出来る
最高クラスの断熱性能を
有していることが
条件となっていますしね。
おはようございます。
SIMPLE Inc.高根です。
では、性能面に関しては
数値に加えて
どこに注目すればいいのか?
今回はそこについて
お伝えしていきたいと思います。
✔️数字+バランス
耐震に関しては、
数字も大事なことであるものの、
それ以上に着目すべきは
バランスよく設計出来ているかどうか
ということです。
壁量がただ多いだけじゃなく
壁量が全体的に
バランスよく取れているか。
一例を挙げると
南に窓を取り過ぎた結果、
南の耐震壁が
極端に少なくなるのに対し
北に窓をほとんど取らなかったため
北には耐震壁が極端に多くなる。
他方、
南と北の壁量が均等に近く、
同じように
東と西の壁量も均等に近い。
この2つの建物を比較してみると
後者の方が強そうだと
お感じになったのではないか
と思います。
また、2階建てと平屋では
平屋の方が
構造がしっかりしているのは
もはや比べるまでもありませんよね。
2階建てにする理由の1つが
日当たりの恩恵を受けるため
であることを加味すると、
先程お伝えしたように
南北の壁量バランスも
悪くなってしまいますしね。
そんなわけで弊社では
「平屋」かつ
壁量バランスの良い建物を
提案するように
心がけている次第です。
結果、耐震等級3を取得するために
間取りに修正を加える必要も
一切なくなりますしね。
✔️数字+廊下削減
断熱に関しては、
いかに家全体に空気が循環しやすいか。
数字がいい家になるほど
これが大事になってきます。
断熱や気密を高める理由は
家全体に温度差を生みにくくするため
だからであることを考えると、
空気の循環を遮るスペースとなる
廊下や階段を削減することが
最も合理的だからです。
廊下や階段がなくなれば
その分面積が小さくなり
家のコストも抑えられるし、
面積が小さくなれば体積も減り
その分空気が循環しやすくなるし、
そもそも廊下があると
ドアを閉めてしまいたく
なってしまいますしね。
人間の習性的に。
もっとも
別の解決策としては
全館空調システムの導入があり、
これを設置すれば
2階建ての家でも
家全体の温度差を小さく出来ますが、
このデメリットは
その分余分にコストがかかる
ということです。
それだけじゃなく
2階建てにすれば
階段はもちろん
廊下も多く出来ることになり、
その分家のコストも
高くなってしまうわけですしね。
そんなわけで
「平屋」であることと同時に
廊下を極限までなくす
提案を心がけている次第です。
コストアップすれば
いい家を建てることは簡単ですが、
コストダウンしながら
いい家を建てることは
決して簡単ではなく、
このようにもう一歩踏み込んだ
アイデアが必要不可欠です。
この点を知っていただくと
より現実的な予算で
より素敵な住まいが
手に入れられる
のではないでしょうか。
それでは、、、