収納の基礎と応用

前回、通り抜け動線は

収納のキャパを半減させる

可能性がかなり高いこと、

かつ、ドアの数が増え

コストアップすることから

いかがなのものかなあ

ということをお伝えしましたが、

実は収納の考え方一つで

家のコストが

割と大きく違ってきます。

 

つまり、収納が

多いに越したことがないのは

誰もが思うことであるものの、

それはつくり方一つで

安く実現出来ることも出来れば

逆にずいぶんと高くついてしまう

なんてことも普通にあり得る

というわけですね。

 

おはようございます。

SIMPLE Inc.高根です。

 

そんなわけで今回は

建築コストが高くなる

収納の考え方と

建築コストが安くなる

収納の考え方について

お伝えしていきたいと思います。

 

✔️床ではなく壁を意識する

 

建築コストを上げてしまう

収納の考え方は

とにかく「床面積」を

増やしてしまうことです。

 

建築コストは

床面積の大小に

大きく左右されるからです。

 

他方、収納の分量を

「床面積」ではなく

「壁面積」で考えることが

出来るようになると、

無駄に床面積を増やすことなく

収納を充実させることが出来ます。

 

例えば、

同じ3帖の収納をつくったとて

通路のあるなしによって

使える収納のキャパが

2倍違うというお話を

前回させていただきましたが、

これはまさしく

収納を床で考えてしまっているか

壁で考えることが出来ているのか

の典型的な違いです。

 

通路をつくる=

壁を有効活用出来なくなる

ということだからです。

 

ゆえに、

面積を増やすことなく

収納を充実させるためには

「不用意に通路をつくらない」

まずはこれを設計する前から

ご理解いただけると幸いです。

 

と、同時に

間取り図面を

上から眺めるのではなく

そこに立って立体的に

イメージすることを

意識していただければと思います。

 

上から眺めているだけだと

見れば見るほど

収納が足りないように感じてきて

床面積を増やしがちに

なってしまうのに対し、

収納を壁で捉えられれば

床で捉えている時に比べて

だいぶ論理的に考えられる

ようになりますからね。

 

✔️収納の肝となる考え方

 

続いて、収納づくりで

ご理解いただきたい考え方が

「収納は管理のしやすさが命」

だということです。

 

例えば、昔の収納は

「押入」と呼ばれる

奥行きが深いタイプのものが

一般的でしたが、

このような収納は

物が薄くなった現代では

なおのこと使い勝手が悪いと

感じている方が

数多くいらっしゃるのでは

ないでしょうか。

 

手前に重ねて置くと、

奥のものが取り出しにくい・・

でも手前も有効活用しないと

収納の中に収まりきらない・・

このような不憫な思いを

賃貸暮らしでは痛いほど

されているでしょうからね。

 

ゆえに、

収納をつくる際には

奥行きは浅く、

でも幅は多くを

意識していただければと思います。

 

同じ床面積でも

91cm×91cmの収納と

182cm×45.5cmの収納では

棚の枚数が同じ場合でも

キャパが2倍違いますからね。

 

その上、

重ね置き出来ない奥行きなので

ものの管理もしやすいですしね。

 

✔️壁面有効利用の応用編

 

ここまで

収納で大事なことは

とにかく「壁」で考えること

とお伝えしてきましたが、

壁を有効活用するのは

なにも収納に限った話ではなく

部屋でも応用して

考えていただくと

さらに収納が充実します。

もちろんコストを増やすことなく。

 

子供部屋や寝室の

2m73cm(一間半)ある壁に

棚とパイプハンガーが設置出来れば

単純に1.5帖分

収納が増えることになるし、

リビングやダイニングの

1m82cm(一間)ある壁に

仮に棚を5枚設置出来れば

そこには約11m分もの

棚が生まれることになりますからね。

単純に幅27.5cmのボックスを

置くとしたら

40個もそこに置ける

ということですね。

 

このように住まいは

空間をうまく使うことが出来れば

無駄に床面積を増やさずとも

(無駄に建築コストを上げずとも)

広々としていながら

収納も充実した住まいに

することが出来ます。

 

ゆえに、

建築コストを無駄に上げることなく

いい住まいをつくるために

過去3回の記事を

参考にしていただければと思います。

 

それでは、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この記事を書いた人

simple

Simple Inc.代表 高根慶雄
住居をプロデュースするだけでなく、住宅ローンアドバイザーとして金銭面でも施主に寄り添う。