日当たりはそれほど重要ではないということ

「日当たりの良さ」は

家づくりをする上で

最も重要なキーワードであると

認識されていますが、

そこに固執し過ぎると

家づくりのあらゆる局面で

色んな代償を払うことになります。

 

例えば、土地。

日当たりに良さに固執すれば

土地選びは必然的に

「南向き」一択ということになりますが、

当然、人気が集中する南向きの土地は

価格も割高に設定されます。

かつ、よほど立地が悪くない限り

値引き交渉の余地もありません。

 

その上、南向きの土地は

需要が供給を上回りがちなので、

南向きに固執してしまうと

住みたい地域でいい土地が出てこない

という状態を生み出してしまいます。

 

そして、インフレが進む現在は、

その時間のロスによって

建築費が割高になってしまった・・

という状況を招きかねません。

 

おはようございます。

SIMPLE Inc.高根です。

 

また、日照を阻害されないぐらい

広く土地を買えば、

南向きに固執せずとも

日当たりがいい土地を

買うことが出来ますが、

この場合も当然

土地価格は割高になってしまいます。

 

かつ、この場合に至っては

外構工事コストも跳ね上がるし、

その後払い続けていく

固定資産税までも割高になるという

悲しい現実が待っています。

 

ゆえ、土地選びの観点からしても

「日当たりの良さ」に

あまり固執し過ぎないように

していただけたらと考えています。

 

日当たりが良くないのであれば

それを考慮した上で

間取りと窓を設計すれば

いいだけですからね。

 

✔️家づくりにも支障が出やすい!?

 

また、日当たりに固執し過ぎると

肝心の設計にも支障が生じます。

 

まず、南向きの土地に建てる場合、

基本、全ての部屋を南向きで

つくりたくなるため、

家の中が開けっ広げ状態になります。

 

そして、それを防ぐために

カーテンが必要となり、

そのカーテンを開けることがないまま

薄暗く開放感が感じられない空間で

毎日を過ごすことになります。

 

また、それに加えて

耐震性にも支障が出かねません。

南向きに開口を多くつくれば

その分、壁量が少なくなるし、

一方で窓がそれほど必要ない

と考えられている

対極の北ばかりに壁量が多くなり、

結果、壁量バランスも

最悪な状態になりがちだからです。

(2階建ての場合、

上からの荷重もあるので

なおのことバランスが悪くなります)

 

さらに部屋を南向きでつくれば

必然的に水まわりが

北に配置されることになりますが、

そうなれば湿気の多い水回りに

直射光が差し込まない上、

風通しも悪くなってしまいます。

 

室内干し中心のご家庭にとっては

あまり好ましい環境ではありませんよね。

これらは生乾き臭と

ジメジメ感の原因になる上

洗濯物も乾きにくくなりももんね。

 

これらが日当たりがいい土地で

起こりやすい問題ですね。

 

✔️外構の予算オーバーが起こりやすい!?

 

日当たりに固執し過ぎると

外構工事では予算オーバーに

大いにつながることになります。

 

南向きの土地の場合、

ウッドデッキをつくるにしても

ウッドデッキ費用だけじゃなく、

目隠し費用も同時に必要となるし、

開けっ広げの家で防犯に不安が残るため

心理的に敷地に入ってきにくい工夫を

しなければいけないから。

 

日当たりを確保するために

土地を広くした場合、

単純に施工面積が大きくなるし、

おそらく目隠しや

心理的に敷地に入ってきにくい工夫が

先程同様に必要となるからです。

 

そして、当初計画していた予算から

いとも簡単に2〜300万円も

足が出る結果となってしまいます。

 

いかがでしたか?

 

この説明だけでは

あまりピンとこないかもしれませんが、

日当たりのいい土地に立ち並ぶ

家の多くをご覧いただくと、

「あ。そういうことか。。」

とお分かりいただけると思います。

 

まとめると、

日当たりに固執すれば

全てのコストが割高になると同時に、

(土地代、建築代、外構代)

その割に思ったより住みにくい家に

なってしまう可能性が高くなる。

 

という考え方も知っていただき、

その上で広い視野で家づくりを

考えていただければと思います。

 

それでは、、、

 

 

 

この記事を書いた人

simple

Simple Inc.代表 高根慶雄
住居をプロデュースするだけでなく、住宅ローンアドバイザーとして金銭面でも施主に寄り添う。