固定概念 vs 論理的思考

家づくりには

「居室を南向きでつくる」

という固定概念がありますが、

論理的に考えると

必ずしもそうである必要はありません。

 

例えば、寝室。

寝室を南向きにする必要がない理由は、

この部屋は文字通り

寝ている(=日が沈んでいる)時間に

利用する部屋だからです。

 

子供部屋も然りです。

思春期になれば

自分の部屋に篭ることも出てくるので、

それを考えると

一瞬日当たりが良い方が

良いと思ってしまうかもしれませんが、

我が家の経験則からすると

長女も次女も

南向きの窓のカーテンは

四六時中クローズされており

日当たりが良いことが

逆に迷惑だったと

口をそろえて言っているので

南向きにする必要はない

と思われます。

 

子供たちは

そのうち家から出ていくし、

日当たりが良過ぎると

部屋に置いてあるものが

焼けて困るので

結局、カーテンを閉めっぱなしに

しておかないといけませんしね。

 

おはようございます。

SIMPLE Inc.高根です。

 

そんなわけで

寝室や子供部屋は

むしろ南以外の方角が良くて、

なんなら北が一番良いんじゃないか

と思っているぐらいなんですが、

なぜそう思っているのか?

 

✔️光の種類を使い分ける

 

これらの部屋が北向きでも良い

と思っている理由は大きく3つ。

昨今の断熱性能の向上によって

室温がコントロールしやすくなったから。

そして、日焼けの心配がないからと

北からの採光が最も安定するからです。

 

北からは直射光が入らないため

北につくる部屋は

なんとなく暗いイメージがありますが、

北から入ってくる「天空光」という光は

時間帯によって強弱が出来にくい上、

直射光のように天候によって

大きく左右されにくい

という特徴を持っていますからね。

 

*注:(「天空光」とは

大気中の塵や雲などの

微粒子によって拡散された後、

地表面に到達する光のことです)

 

また、住宅密集地の場合、

隣接して家が建っていますが、

北窓の向こうに建っている

家の壁が白やシルバーといった

反射・拡散しやすい色だとしたら、

その壁に当たった直射光が反射し

北窓から入ってくる

という効果も期待出来ます。

 

つまり、反射光を利用する

という考え方ですね。

 

そして、この考え方は

なにも隣の建物に限った話ではなく

自分の建物でも応用出来ます。

家の真ん中に「中庭」をつくり、

中庭の壁に当たった

直射光の反射を利用して

北窓を取った部屋に光を届ける

という手法です。

 

結果、天空光と反射光という

ダブルの採光を確保出来、

安定した明るさが確保出来る

というわけですね。

 

✔️直射光は必要な場所に届ける

 

家の中に居ながら

日光を浴びることが出来るのは

とっても良いことなので、

過ごす時間が最も長い

リビングダイニングや

立っている時間が多いキッチンには

なるだけ長く直射光が入ってくる

ようにするのがベターであることは

もはや言うまでもありませんが、

個人的にそれに加えて

直射光が入ってきた方が良いと

思っている場所が

洗面やランドリースペース(脱衣室)

といった水回りスペースです。

 

前回お伝えしたように

この場所に直射光が入ってくれば

空間がジメッとではなく

カラッとしやすいし、

部屋干しした洗濯物も

ずいぶんと乾きやすくなるからです。

 

もちろん、

洗濯物が乾きやすく

カラッとした空間にするためには

風通しの良さも必要なので

風が通る設計に出来ていることが

大前提にはなってきますが、

これが実現出来れば

実に快適な空間が出来上がります。

 

また、

今回お伝えした考え方を基本に

間取りを考えられるようになれば、

「平屋は絶対に無理!」と

思い込んでいた土地でも

平屋を建てることが

出来るようになります。

 

つまり、

50坪や60坪の土地でも

余裕で平屋が建てられるようになる

というわけですね。

 

もしあなたが

平屋をご希望されているなら

こんな考え方のもと建てた

弊社のモデルハウスを

一度ご覧になってみてください。

 

きっとこれまでの価値観が

大きく変わることになる

と思いますので!

 

それでは、、、

 

 

 

 

この記事を書いた人

simple

Simple Inc.代表 高根慶雄
住居をプロデュースするだけでなく、住宅ローンアドバイザーとして金銭面でも施主に寄り添う。