「表」と「裏」を意識する

非日常を感じていただけるような

空間づくりにこだわるために、

ホテルがお客様の目に触れない場所に

バックヤードをつくるように、

家もまた、美しさにもこだわるなら

「表」と「裏」を意識しながら

「間取り」と「外観」を

つくりあげていかないといけません。

 

例えば「水回り」スペース。

洗面脱衣、トイレ、お風呂、キッチン

といった水回りスペースは

景観を乱しやすい要素を

兼ね備えていることから

絶対に家の「表」に

配置すべき空間ではありません。

 

1つ目の要素が「窓」です。

窓が景観を乱す理由は、

水回りスペースは

窓のサイズや高さを統一しにくいからと、

窓の数が増えれば、

外壁に出来る涙のような

垂れジミの数も多くなってしまうからです。

 

そして2つ目の要素が「換気扇」です。

これらのスペースには全て

「換気扇」が設置されることになるのですが、

それらは生活感を醸し出すと同時に、

ここから発生する

カビを原因とする黒い汚れを

確実に外壁に付着させていきます。

 

ゆえ、これら水回りスペースは

どんな土地であっても

基本、家の「裏」に配置することを

設計の基本にした方がいい

というわけですね。

 

これらのスペースの近くには

エコキュートやガス給湯器なども

確実に置かれることになりますしね。

 

そんなものまで

家の「表」に見えようものなら

カッコよさもへったくれも

ありませんからね。

 

おはようございます。

SIMPLE Inc.高根です。

 

また、もう1つ

絶対に「表」には出してはいけないものが

「エアコンの室外機と配管カバー」です。

 

こんなものが

家の正面に出てこようものなら

それだけで死ぬほど

家がカッコ悪くなってしまいますからね。

 

そんなわけで間取りを考える時は、

水回りに出来る窓や換気扇はもちろん、

給湯器や室外機が「表」に出てこないか

というところまで意識しながら

配置を考えていかないといけない

というわけですね。

 

「動線」はもちろんのこと、

近隣の環境も織り込みつつ

「採光」をどう取るかまで

並行して考えながらです。

 

✔️固定概念が邪魔をする

 

これらが「住みやすさ」と

「美しい外観」を実現するために

僕たちが考慮していることなんですが、

美しい外観の実現を邪魔する

最たるものが「固定概念」です。

 

固定概念とは、

「家はこうあるべきだ」という

なんとなくのイメージですね。

 

例えば、

部屋は南向きでつくらないといけない

という固定概念は万人の頭の中に

知らない間に溶け込んでいることですが、

このルールを北向きの土地で

頑なに守ろうとすると、

必然的に「表」となる北側に

水回りが配置されることになります。

 

そして、その固定概念が

不細工な外観をつくりあげてしまいます。

同時に、日当たりが悪い

リビングも実現しながら。

(南側の家との間に

充分な距離が取れないからです)

 

あるいは、このルールを

大人気の南向きの土地で

適用しようものなら、

水回りは「裏」につくられるものの

部屋が「表」につくられることから

エアコンの配管カバーや室外機が

「表」に登場することになります。

 

そして丸見えの部屋を覆い隠すために

カーテンとシャッターを設置し、

光が入ってこない薄暗い家を

100万円以上の追加費用を支払って

つくりあげることになってしまいます。

 

ゆえ、美しい外観も同時に実現したい

とお考えなのであれば、

こういった「家はこうあるべきだ」

というなんとなくのイメージを

一旦リセットしていただかないといけません。

 

一つ例を挙げるとしたら、

南向きのこだわる理由は、

光の種類が「直射光」しかないと

思いこんでしまっているからですが、

光には「天空光」という種類もあり、

安定した採光を実現するのは

実は「天空光」だということを

知ることさえ出来れば、

南向きの部屋に固執することもなくなる

という感じでしょうか。

 

とにかく、家づくりには

こういった根拠の薄い固定概念が

いくつも存在しているので、

これらに縛られないように

根拠ある正しい知識を

つけていただければと思います。

 

それでは、、、

 

 

この記事を書いた人

simple

Simple Inc.代表 高根慶雄
住居をプロデュースするだけでなく、住宅ローンアドバイザーとして金銭面でも施主に寄り添う。