インフレと住宅ローン金利

2022年末以降、

日本銀行が長期金利の上限幅を

引き上げてきたことによって、

10年固定型や全機関固定型の

住宅ローン金利が徐々に上がりつつあります。

 

この2つの住宅ローン金利が

上がりつつある理由は、

長期金利の上限が引き上げられれば

それに連動する

10年物国債の利率が上昇し、

結果、銀行はその利率よりも低い金利で

住宅ローン金利を設定しなくなるからです。

 

銀行からすると、

わざわざ国債より低い利率で

多少なりともリスクのある

住宅ローンを貸し出すより、

リスクのない日本国債を買った方が

いいわけですからね。

 

おはようございます。

SIMPLE Inc.高根です。

 

そんなわけで現在は、

それでも固定を選んだ方がいいのか?

それとも、今のところ

金利上昇の影響を受けてない

変動金利を選んだ方がいいのか?

悩ましいところだと思いますが、

さて、あなたはどうお考えでしょうか?

 

✔️損得勘定だけでは選べない

 

住宅ローンを選ぶ際、

どっちが得なのかを考えても、

そもそも誰にもこれから先のことを

正確に予想することなんて出来ないので、

どっちを選んでも

当たる確率は50%だと思います。

 

このインフレは今だけの

一過性のものかもしれず、

もしかしたら10年後には

再びデフレに逆戻りしているかもしれないし、

逆にこのままインフレの波に乗って

日本経済が息を吹き返すとしたら、

近い将来、変動金利に影響を与える

短期金利も上昇する可能性だって

充分考えられるわけですからね。

 

つまり損得勘定で選ぶとしたら、

前者の方が可能性が高いと考えるなら

少しでも金利が安い

変動を選んでおいた方がいいでしょうし、

逆に、後者の可能性が高いと考えるなら

少々金利が高くとも

固定を選んでおいた方がいいとなるのですが、

これに関しては

ホント「神のみぞ知る」という

次元の話だと思います。

 

ゆえ、住宅ローン選びに関して

僕自身が相談を受けた際には、

損得で選ぶのではなく、

どっちの方が性格的に向いているのか?

で選んでいただくようにしています。

 

変動の場合、

区切り区切りで銀行に金利の交渉を

しにいかないといけないし、

場合によったら借り換えを

しないといけなくなるかもしれないので、

それが面倒だと感じる方には

固定をオススメするという感じですね。

 

あとは、借り換えをするとなれば、

健康状態がいいことが条件となるので、

(団信への加入が基本必須となるからです)

家系的にそれが引っ掛かるという方にも。

 

✔️帳尻合わせの選択は絶対にNG!

 

住宅ローン選びに関して

一番やってはいけないと

ハッキリと言い切れることは、

借入額が多すぎるがゆえに、

返済の帳尻を合わせるという選び方です。

 

つまり、本当は固定を選びたいのに

固定を選ぶと返済負担がキツくなるので、

その負担を下げるために

変動を選ばざるを得なくなるという状況です。

 

例を挙げると、

毎月の返済額は10万円以下に抑えたい。

そしてそうなると固定金利を選ぶと

(金利1.45%・40年返済)

借入額は3600万円までに

抑えないといけないのだけど、

それよりも1000万円予算が

上がってしまい、

そのまま固定金利でいくとなると

毎月の返済が125,000円を超えてしまい、

流石にそれは家計的にキツいから

金利が安い変動金利(0.45%)を選び、

出来るだけ10万円に近づける

という調整をする(105,000円になる)

という感じですね。

 

もちろん、この場合も

終わってみるとこれで良かった

となるかもしれないのですが、

これとは逆の方向に

経済が向かっていった場合、

これから先、生活のどこかに

大なり小なり皺寄せがやってくる

可能性が格段に高くなってしまいます。

 

なので、

住宅ローン選びにおいては

以上の点をご留意いただき、

ご自身の性格と家計にあった

選択をしていただければと思います。

 

それでは、、、

 

 

 

この記事を書いた人

simple

Simple Inc.代表 高根慶雄
住居をプロデュースするだけでなく、住宅ローンアドバイザーとして金銭面でも施主に寄り添う。