変動金利の恐ろしいところ

日本銀行が長期金利の上昇幅を

0.5%から1%まで容認したことによって、

全期間固定や10年固定の

住宅ローン金利を左右する長期金利が

徐々に上がってきていますが、

長期金利の上昇が意味するところは、

全期間固定や10年固定の金利が上がる

というだけに止まらず、

遅かれ早かれ変動金利を左右する

短期金利も上がることになる

のではないでしょうか。

 

 

というのも、この図のように

長期金利が上がれば

短期金利との間に出来る

金利差が大きくなるため、

その差を埋めるために

短期も上昇せざるを得なくなる

というのが市場の原理だと

考えるのが妥当だからです。

 

また、現状の物価高を考えると、

すぐにではないにせよ

短期金利に影響を及ぼす

「マイナス金利」を解除する

可能性が高まってきているのも

紛れもない事実です。

 

ゆえ、これから家を建てる方は

単純に目先の金利だけに囚われず、

この視点も持った上で

住宅ローン選びをしていただくことを

オススメしています。

 

おはようございます。

SIMPLE Inc.高根です。

 

では、今回は

今後、短期金利が上がる

ことになるとしたら、

変動金利を選んだ方は

一体どのようになるのかについて

お伝えしていきたいと思います。

 

これまで変動金利の住宅ローンを

取り扱ってなかった地方銀行まで

取り扱い出している近々の動向を見る限り、

短期金利が上がるのは

そう遠い未来ではないんじゃないかと

個人的には考えているので、

同じように危惧されている方は、

ぜひご覧いただければと思います。

 

✔️じわりじわりと痛ぶられるイメージ

 

変動金利は半年ごとに

金利が見直されるものの、

金利が上がったからと言って

すぐに返済負担が上がる

というわけではなく、

5年間は返済額が変わることが

絶対にありません。

 

では、その金利の上下が

どのように影響してくるのか

ということになるですが、

仮に途中で金利が上がることになった場合、

元本と利息の割合が変わることになります。

 

仮に毎月の返済が10万円で

元本が8万円、利息が2万円だとしたら、

元本が7万円、利息が3万円になる

という感じです。

 

要するに、

元本の減りが遅くなってしまい、

その結果、返済額見直しのタイミングで

負担が上がりやすくなるというわけですね。

 

とはいえ、金利上昇に伴って

急激に返済額が上がってしまうと、

住宅ローン破綻という事態を

招きかねないので

変動金利の場合、

返済額見直し時でも

今の返済額の1.25倍以内までしか

上げてはいけないというルールがあり、

たちどころに返済が出来なくなる

ということにはなりません。

 

仮に、これまでの返済額が10万円だとして

元本の減りの鈍化×金利上昇によって

返済額が14万円になってしまうとしても、

1.25倍の12.5万円でとどめてくれる

という感じです。

 

ただ、この場合

本来の14万円の内訳が

元本が7万円、利息が7万円

になるんだとしたら、

12.5万円となる場合、

元本が5.5万円、利息が7万円となり、

さらに元本の減りが

鈍化していくことになってしまいます。

 

✔️これが導く結論

 

もし今後、短期金利が上がるとしたら

変動金利を選んでいる方は、

このような状況を経験していくこと

になります。

 

そして、これが引き起こす結末は

住宅ローンの返済が

いつまで経っても終わらない

ということです。

 

途中の金利上昇時も、

返済額見直し時も、

金利上昇の皺寄せを全て

元本の減りを鈍化させることに

集中させているため、

期間を延ばすしか

方法がなくなってしまうからです。

 

いかがでしたか?

変動金利の商品の恐ろしさを

少しはご理解いただけたでしょうか?

問題を先送りにして

ジリジリと追い込まれていく感を

お分かりいただけたでしょうか?

 

というわけなので、

これから家を建てられる方は、

これをご理解いただくとともに

金利上昇リスクを

どのようにヘッジするのかも

同時に考えていただきながら

家づくりの計画を

立てていただければと思います。

 

銀行が変動金利の商品を

充実させてきているからといって、

目先の金利の安さだけで

飛びつかないように

充分注意してください!

 

それでは、、、

 

 

 

この記事を書いた人

simple

Simple Inc.代表 高根慶雄
住居をプロデュースするだけでなく、住宅ローンアドバイザーとして金銭面でも施主に寄り添う。