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泥棒が入りたくない家

シンプルな家のための、長いはなし⑤

泥棒が入りたくない家

「昔の家は玄関の鍵なんてかけなかった」、そんな話をよく聞きますね。近所にどんな人が住んでいるかをしっかりと把握していた時代はそれでよかったかもしれませんが、地域のコミュニティが希薄になってきた今では、なかなかそうはいきません。もし玄関に鍵をかけ忘れて泥棒に入られでもしたら、鍵をかけなかった方が悪いと言われかねませんね。つまり、昔に比べて防犯策を自分自身で万全にしておくことが求められる時代になっているのです。

では、玄関や窓を施錠するのは当たり前として、家のセキュリティを高めるため他にどんなことができるでしょうか。防犯カメラや警備会社との契約などいくつかのアイデアは思いつくでしょうが、意外と思いつかないのは「家の形を見直す」ことなんです。

ありがちな一軒家を思い浮かべてみてください。その家は1階の日当たりの良い場所に大きな窓がありますね。そこは間違いなくリビングです。裏に回って目線の高さに窓があれば、そこはキッチンです。さらに小さな窓は、おそらくトイレやお風呂に通じているでしょう。2階はベランダに面していくつか窓があり、そのうちどれかが主寝室、あとは子ども部屋ですね。敷地がブロック塀で囲まれているとはいえ、外から窓の場所を見るだけである程度の間取りがわかってしまうような家は、はたして防犯性の高い家と呼べるでしょうか。

いっそ外観から大きな窓を無くしてしまえば、その間取りを外から想像することは難しくなり、防犯性能を高めることができるのです。もちろん、中庭やトップライトを使って光と風の通り道は確保したままで。

ありがちな一軒家の例で「敷地がブロック塀で囲まれている」と述べましたが、窓を無くした外壁は外からの目線を遮る必要がありませんから、外壁がそのまま塀の役割も果たします。つまり、これまでの家でブロック塀と外壁の隙間にあった無駄な空間を生み出すことなく、敷地いっぱいに家を建てることが可能となります。土地の面積が狭くても広々とした家を建てたい方にも、外壁に窓を作らないシンプルなスタイルの家は、おすすめの方法といえるでしょう。

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