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欲しくないのに買わされているもの

シンプルな家のための、長いはなし⑥

欲しくないのに買わされているもの

マイホームを建てるとなると、あれこれと欲が出てしまうものです。アイランドキッチンが欲しい、広い庭が欲しい、ウッドデッキが欲しい、広い和室が欲しい…。それらは、あなたが本当に必要と感じるならば予算的に無理のない範囲で作ればいいし、冷静に考えればいらないかな、と思うならば作らなければいいものです。

そういった「欲しい」「欲しくない」で判断できる要素とは別に、気をつけなければならないのは「欲しくないのに買わされるもの」なんです。

その最たる例が、廊下でしょう。

言うまでもなく、廊下の存在意義は“部屋と部屋をつなぐこと”、それに尽きます。そこでくつろぐこともなく、ただ通り過ぎるだけの空間を作るのに、あなたは平米あたり15万円も支払うことになるのです。もしも家の設備ひとつひとつに値札が付いていたら、廊下や軒といったものにたくさんのお金を出すことに大きな抵抗を感じるでしょう。

これらは単に昔からの家の形を倣って「家っぽくする」ためだけの記号であって、もちろん建てる人のライフスタイルやコスト面を考慮した結果ではありません。間取りを工夫すれば廊下など必要ありませんし、昔に比べて外壁材の耐久性が向上した現代の家には、風雨から壁を守るための軒だって必要ないのですから。

こうして無駄を省いていけば、家づくりにかけるトータルのコストを下げることもできますし、同じコストの中で余分だった空間を使ってリビングをもっと広くすることだって可能になるのです。

家に自分の好みを取り入れてもらうことは大切ですが、「あって当たり前」と思っているものが本当に必要かどうかを、冷静に考える姿勢も大切にしてください。

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