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家が片付かない収納の作り方

シンプルな家のための、長いはなし⑦

家が片付かない収納の作り方

『SIMPLE INC.』ができる限り平屋の家をおすすめする理由はいろいろありますが、そのうちのひとつが「美しく片付いた状態を保つため」です。

一般的な2階建ての家の間取りをイメージした時、1階はLDKに水回りと和室、2階は寝室と子ども部屋…という姿が思い浮かぶでしょう。リビングはできるだけ広くとりたいと考えれば、おのずと収納スペースが2階の居室にクローゼットという形で追いやられますね。では、実際にそこで暮らす家族はどんなふうにその収納を活用するでしょうか。学校から帰って来た子ども達が制服やランドセルをどこに置くでしょうか。リビングで遊び終わったおもちゃを、わざわざ2階の自室まで片付けに上がるでしょうか。…そんなことありませんよね。大抵はそのまま置きっぱなしにして、リビングやダイニングはごちゃごちゃと散らかったままになります。大人の荷物だってそうです。仕事のカバンや買い物用のバッグを、いちいち寝室に片付けたりはしませんよね。なんなら「リビングに収納家具をひとつ置いて、家族全員がよく使う物をそこに片付けるようにしよう」なんて考えがひらめいて、中途半端な家具を置くことでせっかく広く作ったリビングの空間を占拠してしまうことだってよくあります。

また2階建ての家には階段下のスペースを収納に充てる間取りもよく見られますが、そのほとんどは高さが十分でないわりに奥行きだけはやたら長い空間しか確保できません。そこには掃除機など背の高い物は収納できませんし、奥に押し込んだ荷物はやたらに出しにくく、使い勝手の悪いスペースになってしまいます。しまい込んだものが見つからず、買い置きのストックがあるはずなに見つからないから新しい物を買ってしまう、という無駄の原因にもなりかねませんね。

平屋ならば、家族が自分の荷物を自室に片付けるハードルはグッと低くなりますし、どこに収納を作っても床面積は同じですから、1階・2階という場所の制限を受けることなく、必要な場所に必要なサイズの収納スペースを、使いやすいように作ることができます。

住宅は、床面積が増えるほどに収納スペースの面積も増える傾向にあります。豊富な収納スペースはあるに越したことはないと考えたくなるのが人間ですが、必要以上の収納スペースを作って持てあますぐらいなら、使いやすい収納を適切な場所に作るほうが、コストの面でも片付けの手間の面でも、ずっと優れた住宅と言えるのです。

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