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掃除が好きという人はあまりいない

シンプルな家のための、長いはなし⑪

掃除が好きという人はあまりいない

今となっては古くさい話ですが、昭和のドラマなんかでは姑さんがお嫁さんをいびる描写として、障子の桟を指でスーッとなぞって指についたホコリをフッと吹き、「掃除が行き届いてない」なんて嫌味を言うシーンがよくあったものです。ドラマでそんな表現は見なくなったとはいえ、住まいにおける掃除が面倒であることは今も昔も同じですよね。

いつでも家をきれいに保つための方法は二つあります。ひとつは、家の細かい部分、それこそ障子の桟に至るまでをこまめに掃除すること。これは言われるまでもないことですが、それを実際に毎日しようと思うと面倒ですし、忙しい毎日の中でそんな時間が取れれば最初から苦労しませんよね。

もうひとつは、汚れやホコリが溜まりにくい家にすることです。余計な凹凸を無くせばホコリが溜まる場所自体が減るわけですから、必然的に掃除しなければならない箇所も減ります。空気中に漂うホコリはすべて床に落ちますから、定期的に床に掃除機をかけるだけで家の中をきれいに保つことができるというわけです。今流行りのお掃除ロボットもさすがに高い所までは掃除してくれませんが、ホコリが床に落ちる家ならお掃除ロボットの独壇場となり、上手に使えば人の手で掃除する手間はほとんどかからなくなるでしょう。

汚れが溜まるのは家の中だけではありません。窓枠から伝い落ちる雨水の跡が家の外壁につける筋状の汚れは、せっかくの家を少しみっともなく見せてしまいます。特に白い壁の場合はこの汚れが目立ちますから、きれいに保とうと思えば大変な手間がかかります。それを解決するには、外壁に創る窓を少なくすればいいのです。もちろん、室内への採光はしっかり確保することを前提とした上で、です。室内の話とも共通しますが、そもそも汚れやホコリが堪らなければ、掃除をする必要そのものがなくなるのですから、家事に占める掃除の割合を驚くほど減らすことが可能です。

私たちが平屋をおすすめするのは、家事の手間を減らすという目的もあります。1階の掃除を終えて、重い掃除機をわざわざ2階まで持って上がるのも手間ですし、だからといって各階専用の掃除機を置くのもお金と場所の無駄ですよね。

美しい家を建て、その美しさを手間をかけずに維持することで、家をもっと好きになる。そんな好循環が、このシンプルな家からは生まれるのです。

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